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徒然草気まま読み#118
「清げなる男」
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今回扱うのは、第四十三段。
短いので、全文をご紹介。
春の暮つかた、のどやかに艷なる空に、賤しからぬ家の、奧深く木立ものふりて、庭に散りしをれたる花見過しがたきを、さし入りて見れば、南面の格子を皆下して、さびしげなるに、東にむきて妻戸のよきほどに開(あ)きたる、御簾のやぶれより見れば、かたち清げなる男(をのこ)の、年二十ばかりにて、うちとけたれど、心にくくのどやかなる樣して、机の上に書をくりひろげて見居たり。いかなる人なりけむ、たづね聞かまほし。
徒然草の中でも、いったい何が
言いたいんだろうと首をかしげてしまう、
なんとも不可解な話。
ある晩春の頃、のどかで優雅な雰
囲気の空の下を歩いていた兼好。
特に気になる家が目に入って、
それで取った行動とは…?
もしかして兼好って、
アブナイ人だったのか?
あまりに奇妙なため、
様々な解釈を生んでいる異色の段。
こんな一面もあったのかという、
不思議な兼好をご紹介。